おいしい発芽野菜レシピ

食事で取り組む!肌の乾燥対策

朝晩が特に冷え込むようになり、もうすっかり秋ですね。少しずつ冬へと向かっていくわけですが、これからの季節、肌の乾燥が気になる方が増えるのではないでしょうか。これまで以上にこまめなケアが必要で億劫になる‥。肌のそのお悩み、食事で改善されるかもしれません。

 

 

なぜ冬場に肌が乾燥するのか

どうして冬場に肌が乾燥してしまうのか、ご存知の方は案外少ないのではないでしょうか。そもそも肌が乾燥しているとは、どういった状態なのでしょうか。

皮膚が空気と触れる部分には「角質層」があり、外からの雑菌や異物の侵入から皮膚を守っているほか、水分が失われることも防いでいます。このバリア機能が機能するためには、皮膚の水分量と皮脂量が適切で、水分と皮脂のバランスがとれている必要があります。ですが、冬場は空気が乾燥しており、皮膚から水分がどんどん失われます。そうして水分と皮脂のバランスが崩れ、バリア機能も正常に機能しなくなり、皮膚が乾燥します。

                             

 

また、冬場は気温が低いため体温も下がります。体温が下がると、からだは熱を逃がさないように血管を収縮させます。すると、血流が悪くなり、肌に必要な栄養が届きにくくなってしまいます。こういったことも肌の乾燥に影響します。

 

肌の乾燥を防ぐためには?

肌の乾燥を防ぐ方法として、真っ先に乾燥を防いで保湿をすることを考える方がほとんどだと思います。それももちろん大事ですが、そのほかにも乾燥対策に取り組んでみませんか?食事に気を遣うことで、肌が乾燥するのを予防できる可能性があります。

一番は、「バランスの取れた食事を心がける」ことです。
先ほど、「肌の乾燥を防ぐためには、角質層のバリア機能を働かせることが必要だ」と書きました。その角質層のバリア機能を保つには、ビタミン、タンパク質、脂肪酸など、さまざまな栄養素が必要です。1つの栄養素のみにこだわるのではなく、各栄養素を適量摂取することが大切です。

                                                             

そのうえで、「バランスのとれた食事をとっているけれど、特に肌の乾燥を意識した食事にしたい!」という方には、大豆イソフラボンがおすすめです。

 

大豆イソフラボンとは

大豆イソフラボン」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。その名の通り大豆に多く含まれている成分なのですが、これがエストロゲンというホルモンと構造が似ており、エストロゲンと似たような働きをすることがわかって注目されています。エストロゲンは女性ホルモンともいわれており、主に第二次性徴の発現や月経周期などの働きを担っています。

実はエストロゲンには、「線維芽細胞に作用してヒアルロン酸産生を促す」はたらきもあります。線維芽細胞は、真皮に存在する細胞で、ヒアルロン酸を産生することで肌のうるおいを保つ働きがあると考えられています。大豆イソフラボンでも、同様のはたらきをすることが確認されていますので、大豆イソフラボンを摂取することで、肌のうるおいを保つことができると考えられます。

大豆イソフラボンが含まれている食品

  • 大豆もやし
  • 豆乳
  • 豆腐

 

大豆イソフラボンの摂取量について、日本では明らかな健康被害は報告されていませんが、海外の試験から大豆イソフラボン錠剤を1日150 mg摂取すると健康被害の発現が懸念されることがわかっています。その結果から、現在大豆イソフラボンの安全な一日摂取量の上限値は大豆イソフラボンアグリコン注)として1日70~75 mgとされています。
ただし、日本人は、豆腐、納豆、煮豆、みそなどの「伝統的な大豆食品」について、日常の食生活における長い食経験があり、これらの大豆食品を食べることによる大豆イソフラボンの健康への有害な影響が提起されたことはなく、心配する必要はありません

栄養素のはたらきを正しく理解し、適量摂取を心がけてこれからの季節を楽しみましょう♪

 

 

注) 大豆や大豆食品中に含まれる大豆イソフラボンは、主に配糖体として存在しています。また、糖部分が分離したものは、一般的にアグリコンといいます。ヒトが摂取した大豆イソフラボン配糖体は、腸内細菌の作用等により大豆イソフラボンアグリコンとなり、腸管から吸収されます。大豆イソフラボン配糖体から、大豆イソフラボンアグリコンに換算する場合、原則として、3種類のアグリコン中一番エストロゲン活性の高いゲニステインの換算値(約0.625)を用いて換算します。
                       

 

【参考文献】

※食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」